仏教の教え

こんにちは、野上です。緊急事態宣言が延長になり、不要不急の外出制限がもうしばらく続きそうですね。「感染しない、感染させない」という強い意志を持って日々過ごすことが終息への道へと繋がります。

さて前回お話した「三法印」に「一切皆苦ーいっさいかいく」という言葉をまとめて「四法印」と言い、「一切皆苦」は四苦八苦という言葉で具体的に表わされています。まず人生の苦しみを大きく四つに分けると、

「生苦ーしょうく」生きる苦しみ
「老苦ーろうく」 老いの苦しみ
「病苦ーびょうく」病の苦しみ
「死苦ーしく」  死の苦しみ

これにさらに四つ加えたものが四苦八苦です。

「愛別離苦ーあいべつりく」 愛する人と必ず別れなければならない苦しみ
「怨憎会苦ーおんぞうえく」 会いたくない人や物と会う苦しみ
「求不得苦ーぐふとっく」  欲しいものがどうしても手に入らない苦しみ
「五陰盛苦ーごおんじょうく」五陰とは肉体のことで、五つの意味があります。
  色 シキ ーすべての物質・肉体
  受 ジュ ーすべての感覚・心
  想 ソウ ー心に浮かぶ像
  行 ギョウーすべての欲求・意思
  識 シキ -すべての記憶・知識

これらは執着によって起こる精神的・肉体的なさまざまな苦しみのことです。

「苦脳」とは字のごとく苦しみ悩むことですが、仏教では次の三毒から来るとされており、毒を煩悩に例えています。

「貪ーとん」むさぼりの心
「瞋-しん」怒りの心
「痴ーち」 愚痴の心

「一切皆苦」とは「この世は苦に満ちていて自分の思い通りにはならない。苦を受け入れることで煩悩を消滅させる」と解釈されます。

我先に、とつい自分の都合の良いように行動してしまう私たちの生活を戒める教えです。
取り巻く現状を認識し、節度ある冷静な行動が求められています。